・「相続人全員が相続放棄」をし、相続人が不存在となった場合、又は相続人の存在することが明らかでない場合、民法は相続財産を法人とする旨を定めている。(民法951条) これが「相続財産法人」である。
・法人となった相続財産もひとたび相続人が現われれば、法人は存在しなかったものとみなされるが、「相続財産管理人の行為は有効」とされる。
相続財産管理人の選任 民法952条
相続財産管理人の選任 |
・相続人不存在の場合、相続財産は被相続人の死亡時に当然に法人となるが、この法人を代表し、また後日現れるかもしれない相続人や包括受遺者の法定代理人となるのが、「相続財産管理人」である。
・2019年の民法改正により「相続財産清算人」に改められた。参照ペ−ジ
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国庫への帰属 959条
国庫への帰属 |
・残余相続財産の最終帰属者を国庫とすること。
※最終の「相続人捜索公告」の期間満了後3ヶ月以内は、「特別縁故者による相続財産分与の申立て」が認められるが、この申立てがなくあるいは分与がなされてもなお残余財産がある場合には、相続財産は国庫に帰属し、相続財産法人は消滅する。 |
特別縁故者への分与 958条の3
特別縁故者への分与 |
・「内縁の妻」や「事実上の養子」のように、法律上は相続人ではないが、実際上被相続人と深い縁故を持っていた者。
※最終の相続人捜索公告の期間が満了して、「相続人の不存在が確定した後、3ヶ月以内」は、被相続人の特別縁故者による「相続財産分与の申立て」が認められる。 参照ペ−ジ |
・民法は「被相続人と生計を同じくしていた者」、「被相続人の療養看護に努めた者」、「その他被相続人と特別の縁故があった者」を「特別縁故者」として例示している。 |
区 分 | 民 法 | 相続税法 | 内 容 |
特別縁故者 | 第958条の3 | 第4条第1項 | ・被相続人と生計を一にしていた者 ・被相続人の療養看護に努めた者 ・被相続人と特別の縁故があった者 |
特別寄与者 | 第1050条 | 第4条第2項 | ・被相続人に対し無償で療養看護その他の労務の提供により、被相続人の財産の維持または増加に特別の寄与をした被相続人の「親族」 ・「2018年の民法改正」で創設された。 |
特別縁故者の相続税