平成18年改正  特定同族会社とは            



「同族の同族会社」については、その定義が法人税法67条に規定されていたが、平成18年改正により無くなり「特定同族会社」に改正された。

・この改正により、
「同族関係者3グル−プで株式等50%超保有」「同族関係者1グル−プで株式等50%超保有」と変更された。



  旧「同族の同族会社」とは


・法人税法上のいわゆる「同族の同族会社」とは、三人以下の「同族会社又は個人株主」により、実質的にその会社の株式の50%超を所有されている会社ということになります(なお、別表2では「特定同族会社」と記載されています)。

・通常の同族会社の判定との違いは、
判定対象となる株主の範囲が違います。「同族会社の判定」は、株式所有割合の上位3グループの所有割合の合計が、発行済株式の総数(自己株式を除く)の50%超を所有しているかどうかにより判定。

・同族の同族会社の判定においては、
「同族会社又は個人株主」3名により、実質的に株式の50%超を所有しているかどうかにより判定を行います。

  株   主 区  分 持 株 割 合
株主A 法人(同族会社)30%
株主B
個人

20%
株主C
法人(非同族会社)

10%
株主D
法人(非同族会社)
5%
株主E
法人(同族会社)

3%
 その他の株主
非同族会社

32%

上記の株主A〜Eと特殊な関係にある個人・法人はいないものとします

同族会社の判定

 ・株主Aの持株割合 +株主Bの持株割合 +株主Cの持株割合 =30% +20% +10%

   =60%>50% より
「同族会社」に該当する。

同族の同族会社の判定

 ・株主Aの持株割合 +株主Bの持株割合 +株主Eの持株割合 =30% +20% +3%

   =53%>50% より
「同族の同族会社」に該当する。

※同族会社であっても株主等のうち、
非同族法人を除外して判定した場合に上位3グループの株主等の保有する発行済株式総数・出資金額が50%以上の場合を「同族の同族会社」といい、50%未満の場合には、「非同族の同族会社」といった。   



  特定同族会社の定義


@被支配会社で

A被支配会社であることについての判定の基礎となった株主等のうちに
「被支配会社でない法人」がある場合には、その法人をその判定の基礎となる株主等から除外して判定した場合においても被支配会社となるものをいう。


 被支配会社とは

・同族会社は、まず「被支配会社」か否かに分類されます。
  
・「被支配会社」とは、同族会社の判定で求めた株主グル−プのうち
上位1株主グループ(一人の株主とその特殊な関係のある個人・法人)が所有する株式が、発行済株式総数(自己株式を除く)の50%超を保有する会社のことをいいます。

・被支配会社は、さらに
「特定同族会社」か否かに分類されます。


「法人株主がいない場合」(つまり、株主がすべて個人の場合)は、被支配会社 = 特定同族会社になります。

「法人株主がいる場合」には、判定の基となった株主に被支配会社でない法人がある場合にこの法人を除外して判定してもなお被支配会社となるものをいう。


・平成19年4月1日以降に開始する事業年度からは、「期末資本金の額が1億円以下」の場合は特定同族会社には該当しません。


・期末資本金が1億円以下で、会社の株主が、社長とその親族の他にいないような会社は、「特定同族会社」ではなく、「同族会社」になります

・特定同族会社には、
「留保金課税」適用」があります。(法人税法67条)


 具体的事例で検討

@まず被支配会社とは、 一人また1グループによって議決権の過半数を握られている会社です。

例えば、私がA会社をつくり、A会社にB会社を作らせます。 すると、B社はA社に100%(50%超)握られているので、「被支配会社」となります。

Aの文章について、 結論からいうと、
「B社が特定同族会社になるには、その株主のA社も被支配会社であることが必要」です。

・被支配会社が2社続いた場合の2社目が特定同族会社となる。


・例えば、 A社もB社も株主が多数おり、単独で過半数所有はいないA社はC社の株式を70%持っている。B社がC社の株式を30%持っている。 このような場合だと、まずC社は@の要件を満たします。 なぜなら、A社が単独で50%超もってるから。 次に、Aの要件ですが、 A被支配会社であることについての判定の基礎となった株主等のうちに被支配会社でない法人がある場合には、 これは具体的にはこのように読みます。

・判定の基礎となった株主等とはこの場合A社とB社のことです。 そして、条件よりA社もB社も多数株主がおり単独で過半数を所有されていないので、判定の基礎となったA社もB社被支配会社でありません。 なので、「被支配会社でない法人がある場合」に該当します。

・その法人をその判定の基礎となる株主等から除外して判定した場合においても被支配会社となるものをいう。 その法人(A社とB社)を被支配会社の判定の基礎となる株主等から除外して、もう一回C社が被支配会社かどうか判定しろといっています。 A社とB社でC社を100%保有しているので、A社とB社を除くとだれも株主はいない誰かが単独で過半数を所有することも当然にない。

・Aを満たさない結果、C社は特定同族会社に当てはまらない。


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