合名会社の死亡退社による持分の払い戻し            



  合名会社の死亡退社による持分の払い戻し

事    例 1

・合名会社の無限責任社員の死亡退社に対して、定款で持分を払戻すこととしている場合において、相続人に帰属する持分払戻請求権の計算に当たり、評価差額に対する法人税等相当額を控除できるか。

解            説


会社法608、611条

・合名会社の無限責任社員の死亡退社に際して、定款においてその
「持分を払戻す規定」「承継する規定」のいずれかを定めることができる。

・定款において、その
「持分を払戻すことが規定されている場合」には、被相続人に対して所得税法24条1項5号により、みなし配当が生ずることとなり、この「みなし配当を準確定申告」することになる。


・そして、無限責任社員であった被相続人は、その死亡退社により被相続人が合名会社に対して有する出資に係る持分払戻請求権を取得し、その請求権を相続人が取得することになる。

・この場合の評価額は、課税時期における出資1口当たりの純資産価額により計算するが、
「評価差額に対する法人税額相当額は控除しない。」



  合名会社、合資会社の無限責任社員の相続

・合名会社、合資会社の無限責任社員の場合も、他の法人と同様に、その会社に貸した貸付金金銭債権等について、その
「債権金額の全部又は一部の回収が不可能又は著しく困難」であると見込まれるときは、それらの金額は元本の価額に算入しない。参照ペ−ジ

・合名会社、合資会社の会社財産をもってしても
「会社の債務を完済することができない」状態で無限責任社員が死亡した場合の取り扱い。

   
・当該死亡した無限責任社員の負担すべき
「持分に応ずる会社の債務超過額」は、相続税の計算上、被相続人の債務として「相続税法13条」の規定により、「相続財産から控除」することができる。