概 要 |
相当の地代=土地の更地価額×おおむね年6% |
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・ つまり、この相当の地代を授受しているときは、借地権価額はゼロとなり、権利金の認定課税は行われないということです。 (法人税基本通達13−1−7)
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・この場合において、「土地の更地価額」とは、借地権設定の時における更地としての通常の取引価額をいうものとされているが、次の@からBに掲げる方法により計算した価額をもって土地の更地価額とすることも認められている。
※路線価が時価(現在は公示価額が時価と同じ)の8掛けとなったのは、平成4年から、平成3年は7掛け、それ以前はル−ルなし。 ・平成2年以前は、公示価額は時価の7掛け、路線価は公示価額の6又は7掛けだったので、当時としては昭和55年改正により、半値以下に下がることになり画期的な出来事だった。 |
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・これにより、法人税においては、「相当の地代の計算方法」が4通り存在することとなった。
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事 例 1 |
ケース1の場合 |
相当の地代の計算基準 | 相当の地代の年額の計算 |
通常の取引価額方式 | 100,000千円 × 年6% = 6,000千円 |
公示価額等比準方式 | 90,000千円 × 年6% = 5,400千円 |
相続税評価額(その年)方式 | 72,000千円 × 年6% = 4,320千円 |
相続税評価額(3年平均)方式 | (72000千円+60000千円+48000千円)×1/3×年6% =3600千円 |
ケース2の場合 |
相当の地代の計算基準 | 相当の地代の年額の計算 |
通常の取引価額方式 | (100,000千円−30,000千円) × 年6% = 4,200千円 |
公示価額等比準方式 | (90,000千円−27,000千円) × 年6% = 3,780千円 ![]() |
相続税評価額(その年)方式 | (72,000千円−21,600千円) × 年6% = 3,024千円 ![]() |
相続税評価額(3年平均)方式 | {(72,000千円+60,000千円+48,000千円)×1/3−18000千円} ×年6%=2,520千円 ![]() |
・収受した権利金30,000千円は、時価ベ−スなので、それぞれ選択した評価ベ-スに合わせて圧縮する必要がある。 |
・「相当の地代」は、上記4方式の中の1つを選択しなければならず、その金額の範囲内であればよい、ということではない。つまり、どの算式により相当の地代を算出したのか、「記録を保管」しておかなくては、税務調査に対応できない。
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昭和60年の個別通達 |
入り口課税の段階 |
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・4計算方式の中から自由に選択してかまわないが、一度選択したらその方式を踏襲しなければならない。中途変更することは利益操作と看做される。 |
出口課税の段階 |
法人税基本通達13−1−8 |
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・一般的には、土地価額の上昇があっても相当の地代を改訂することなく、据置にしておくケ−スが多いと思われる。
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法人税基本通達13−1−4 |
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・従って、法人借地人が、自社の「経営状況の悪化を理由に地代を減額」しようとした場合、実質的に認定課税を受けることを条件に減額が認められることになるため、地代の引き下げに踏み切れないケ−スも少なからず見受けられる。 |
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・これは、現行制度が創設された当時において、土地の価額が上昇し続けていたことから、相続税負担が過重にならないための手段として、ある意味技術的に考えだされたものと想定される。
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