土地の評価



  路線価方式と倍率方式


・財産評価基本通達によると、宅地の評価は、その所在によって「路線価方式」「倍率方式」のいずれかの方法によって計算することになっています。

・路線価方式は、主に市街地の宅地を評価する方法で、毎年更新されている「路線価図」を基に計算します。路線価図は、税務署や国税庁で閲覧できます(国税庁のホームページ路線価図等閲覧でも確認できます)。

・一方、倍率方式は、農地や郊外の宅地を評価する方法で、「固定資産税評価額」に一定の倍率を掛けて計算します。倍率については税務署の資産税部門に問いあわせればわかります(国税庁のホームページ路線価図等閲覧でも確認できます)。

地区区分
ビル街 高度商業 繁華街 普通商業
併用住宅
普通住宅 中小工場 大工場
ビル街 高度商業 繁華街 普通商業併用住宅 無印 中小工場 大工場


適用範囲
道路の両側の全地域 道路の南側(下方)の全地域 道路沿い 道路の北側(上方)の道路沿いと南側(下方)の全地域 道路の北側(上方)の道路沿いのみの地域
道路の両側の全地域 道路の南側(下方)の全地域 道路沿い 道路の北側(上方)の道路沿いと南側(下方)の全地域 道路の北側(上方)の道路沿いのみの地域


1.斜線部分については、「適用除外」と見る。
例えば、「ひし形」の片方が「無印」、もう片方が「斜線」の場合には、「無印側は中小工場地区」であり、「斜線側は、中小工場地区の適用は無い」と判断することになる。


2.黒塗り部分については、「道路沿い部分について適用あり」と見る。
例えば、「ひし形」の片方が「黒塗り」、もう片方が「斜線」の場合には、「黒塗り側は道路沿い部分については中小工場地区」であり、「斜線側は、中小工場地区の適用は無い」と判断することになる。

借地権割合
記 号 A B C D E F G
借地権割合 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30%


路線価図例
路線価図例


・上記、路線価図を見ると道路に数字が書いてあります。これ は1uごとの価格を千円単位で表記したもので「路線価」といいます。この数値に土地の面積を掛けると、その土地の評価額が算出できます。

・しかし、同じ路線価の土地であっても道路にどのように面しているか、どういう形をしているかなどで土地 の価値は異なってきます。そこで加算項目(評価増)減算項目(評価減)で補正して正確な相続税評価額を出すことになっています。

路線価図の見方と路線価方式の計算方法
路線価図の見方と計算方法

・上記路線価図を拡大すると左図のような表記となります。この土地を評価する場合、まず路線価は、36万円でこの土地は一方のみが道路に接しているので奥行価格補正率で減算します。面積が100uなので、相続税評価額は3.564万円となります。

360,000×0.99=356,400円
(路線価×奥行き価格補正率)

・路線価が千円単位で表記されています。この場合は1uあたり36万となります。 Cは借地の場合適用し、借地権割合が70%であることを表しています。 路線価と借地権割合を囲んでいる円記号は地区区分を示しています。地区区分の違いによって奥行価格補正率も変化します。

356,400×100u=35,640,000円