法定遺言事項・遺言の無効
公正証書遺言の検索 |
※公正証書遺言は、遺言者の死後、平成元年以降作成されたものを「公証役場で検索・照会」することができるようになった。
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法定遺言事項 |
遺言できる事項 | 根拠条文 | 摘 要 | |
@遺 贈(財産の処分) | (民法964条、 986条〜1003条) | ・遺贈とは、被相続人が「相続人、又は相続人以外の人」に遺言書において「私の財産の○○をAに遺贈する」というように、「一方的な意思表示」することにより、財産を相続させるものをいう。
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A相続分の指定、指定 の委託 |
民法902条1項) | ・相続分の指定については債権者には対抗できない。 |
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B財団法人設立の寄付 行為 |
(民法41条2項) | ・ |
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C非嫡出子の認知 |
民法781条2項)、 |
・非嫡出子とは、結婚をしていない男女の間に生まれ た子のことを言います。 嫡出でない子は,親が認知することにより親との間に法律上の親子 関係が生じ相続権が発生します |
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D未成年後見人の指定 |
民法839条1項 | ・未成年者に対して、 最後に親権を行う者で、かつ管理権を有するものは、遺言で未成年後見人を指定することができます |
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E未成年後見監督人の 指定 |
民法848条 | ・ 未成年後見人は1人でなければなりませんが、未成年後見監督人は複数選任することが可能です。 |
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F相続人の廃除、又は その取消し |
民法893条、 894条2項 | ・遺言による廃除や廃除の取消しを行った場合には、遺言執行者が家庭裁判所にそれらの請求を行います。 |
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G遺産分割の指定、指 定の委託 |
民法908条) | ・遺産分割方法の指定とは、例えば妻には土地・建物、長男には〇〇銀行の定期預金、次男には〇〇株式会社の株式1万株というように誰に何を相続させるかを具体的に指定すること。 |
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H遺産分割の禁止(死 後5年以内が限度) |
民法908条) | ・遺産の全てを分割禁止にするか、特定の財産のみを分割禁止にするかは個別に決定できます。 |
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I相続人相互の担保責 任の指定 |
民法914条)
| ・遺産に数量不足、滅失、毀損、瑕疵等があった場合、相続分に応じて穴埋めをする責任を相続人の担保責任といいますが、それを遺言で変更して特定の相続人にすべてを負わすことも出来るのです。 |
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J遺言執行者の指定、 又は指定の委託 |
民法1006条) | ・遺言執行者は、遅滞なく、相続財産の目録を作成して、相続人に交付しなくてはいけません。(民法 1011条)これは管理処分権の対象や責任範囲を明確にするためのものです。そして遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有します。(民法1012条) ・遺言執行者に指定された者が、これを辞退した場合には、家庭裁判所に遺言執行者の選任の申立てをすることができる。(民法1010条) |
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K遺贈の減殺の割合 |
民法1034条但書) | ・遺留分減殺請求において、遺贈は、それぞれの目的の価額の割合に応じて減殺することが規定されています。 ・すなわち、遺贈が複数存在する場合には、特定の遺贈から順次減殺を行っていくのでなく、全ての遺贈を対象として、その価額の割合に応じた割合的減殺を行うこととなります。 ・一方で、但書において代物弁償を認めている。 |
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L特別受益者に対する 持戻しの免除 |
民法903条3項) | ・被相続人は生前贈与や遺贈を相続財産に加えたくない時は、遺言で「特別受益の持ち戻しを免除する」という記載をすることができるのです。 ・遺言書に持ち戻し免除の旨を記載したとしても、「遺留分の制約を受ける」のは当然のことです。 |
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M信託の設定 |
(信託法2条) | ・遺言者である被相続人の所有する貸しビルを、受託者に引渡し、障害を持つ長男のために、貸しビルを管理し、長男に毎月生活費として20万円ずつ渡すなどと定めることです。 ・生前、信託することもできますが、遺言による信託も認められています |
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N祭祀承継者の指定 |
(民法897条 | ・祭祀承継者は、第一に被相続人の遺言や遺言以外の書面、口頭などによる被相続人の指定によって決まります。 |
遺言の無効 |
(6)「被後見人が、後見の計算の終了前に、後見人又はその配偶者若しくは直系卑属の利益となるべき遺言をしたとき・・・」の解説 @未成年被後見人が婚姻し又は成年に達し或いは親権者が現れたとき、 A成年被後見人が能力を回復し後見開始の審判が取消され又は保佐・補助に移行したとき、 B後見人が交代したときは、 後見は終了し(Bについては当該後見人の後見事務が終了し)、後見人は「その管理の計算」=後見の就任当時から任務終了に至るまでの間に後見事務の執行に関して生じた全ての収入・支出の計算をし、本人又は後任の後見人等に報告しなければなりません。 後見継続中又は終了後後見の計算終了以前には、後見人の不正行為があったか無かったのか分からず、「そんな悪い事をしたのを本人が知っていたならあげなかっただろうに」という事も想定されるので、民法は、この間に本人が
もっとも、「本人の直系血族」「本人の配偶者」又は「本人の兄弟姉妹」が後見人である場合には、これを適用しないとしています。 (これらの者は、遺言が無くたって本人の推定相続人となる場合が多いであろうという事で、弊害が少ないためだ、とされています。) |