「卸売業」、「小売・サ−ビス業」、「その他」の区分            



  日本標準産業分類

・日本標準産業分類は、改定され平成20年4月1日から新しい
分類となったが、相続税評価は暦年で評価するので、実際には、平成21年1月1日から適用されることとなった。

主な改定と注意すべき点


1.サ−ビス業が5分類された

大分類L 学術研究、専門、技術サ−ビス業 
大分類M  宿泊業、飲食サ−ビス業
大分類N 生活関連サ−ビス業、娯楽業
大分類Q 複合サ−ビス業
大分類R サ−ビス業(他に分類されないもの)

・大分類Mにより、「ホテル業」と「飲食業」は同じ分類となった。

2.製造小売業

・製造小売業は、製造業とせず
「小売業」の分類とする。消費税申告では、「製造業」の第3種に属するが、株価評価においては、小売業として扱う。

・パンの製造小売業は、業種番号89
「飲食料品小売業」に該当する。

3.製造問屋

・自らは製造を行わないで、自己の所有に属する原材料を下請工場などに支給して製品をつくらせ、これを自己の名称で卸売りするもの

・製造問屋は、法人税法では貸倒繰入率は「製造業」だが、産業分類では
「卸売業」に属する。


4.不動産業の分類

不動産業は、サ−ビス業ではなく、その他の分類となる
事業内容  日本標準産業分類   規模区分を判定する場合の業種 
  大分類    中分類    小・細分類  
 不動産売買業    不動産業     物品賃貸業   不動産取引業 
業種番号101
・建物売買業
・土地売買業  
卸売業、小売・サ−ビス業以外
 不動産賃貸業   不動産業     
物品賃貸業  
 不動産賃貸業
管理業

業種番号102 
・貸家業  
不動産代理・仲介業  不動産業     
物品賃貸業  
不動産取引業 
業種番号101
・不動産代理業
・仲介業  

「駐車場業」は、主として自動車の駐車のための場所を賃貸する事業所をいい、経営の規模、及び形態(月極め、又は時間極め、管理責任の有無)にかかわらず、不動産業、物品賃貸業に該当する。業種番号は、102

・所得税では、「月極め」駐車場の場合は
「不動産所得」となり、「時間極め」駐車場の場合は物品管理するので「事業所得」として扱うが、産業分類においてはどちらも大分類「不動産業」として取り扱う。

・不動産代理仲介業は、
「不動産取引業」に該当する。不動産取引業とは、「所有権の移転だけ」を意味するもので゛はない。

5.損害保険代理業

損害保険代理業は、「業種区分」では、サ−ビス業ではなく、「その他の分類」となる
 事業内容  日本標準産業分類   規模区分を判定する場合の業種    
  大分類   中分類    小・細分類  
損害保険代理店業  金融業    
保険業  
その他の金融業、保険業 
業種番号99
・保険媒介代理業のうちの損害保険代理業
 
卸売業、小売・サ−ビス業以外
 

6.建設業

事業内容  日本標準産業分類 簡易課税の業種区分
  大分類   中分類    小・細分類  
建設業 建設業 総合工事業(06)
 
3種、4種
 
職別工事業(07)
 
3種・4種
 

設備工事業(08)

 
3種・4種
 
学術研究、専門・技術サ−ビス業 技術サ−ビス業
(74)
小分類

土木建築サ−ビス業(742)
 
5種
細分類

建築設計業
(7421)
 

7.出版業

・出版業は、会社規模判定「業種区分」では「小売・サ−ビス業」だが、類似業種比準価額計算における「類似業種の業種目」では「映像・音声・文字情報制作業」となり、対応関係が異なっている。
事業内容    日本標準産業分類   規模区分を判定する場合の業種  
  大分類   中分類    小・細分類  
出版業  情報通信業 映像・音声・文字情報制作業 
業種番号65
・出版業
 
  小売・サ−ビス業  

・本の製造ではあるが、製造業ではなく大分類
「情報通信業」に属する。

8.医療法人は「分類不能の産業」

・医療法人は、会社規模判定「業種区分」では「小売・サ−ビス業」だが、類似業種比準価額計算における「類似業種の業種目」では、「業種番号121その他の分類」となる
事業内容  日本標準産業分類   規模区分を判定する場合の業種  
  大分類   中分類    小・細分類  
内科一般病院  医療、福祉  
業種番号121
その他の産業
医療業 
・病院(一般病院)
小売・サ−ビス業  

・医療法人で株式上場しているものはないので、実際問題として、上場してあるサ−ビス業として株価をとることは不可能なので、
「分類不能産業である121」とせざるを得ない。

・他に、分類不能業種としては
「農業」、「漁業」、「林業」がある。

※この「日本標準産業分類」に基づく産業分類と会社規模区分を判定する場合の
「業種区分」及び「類似業種比準価額の計算における業種目番号」との対応関係を一覧表にまとめたものとして、平成21年6月8日付けで「類似業種比準価額計算上の業種目分類について(情報)」が公開されており、、この中で「日本標準産業分類の分類項目と類似業種比準価額計算上の業種目との対比表」が示されている。