相続税の延納



  相続税の延納について

概   要
 
 納付すべき相続税が10万円を超え、かつ金銭で納付することが困難な場合には、担保提供を条件として相続税の「元金均等年金払いよる延納」を行うことができます。


  相続税の延納の要件

延納の要件

・納付する金額が
「10万円を超える」こと。

・金銭で一度に納めることが
「難しい理由」があること。

・延納税額に見合う
「担保を提供」すること。

・相続税の納期限までに、
「延納申請書」を税務署に提出すること。

・税務署は提出のあった書類の内容を調査した後に適正であれば許可の通知をします。



  相続税の延納ができる期間と利子税

延納ができる期間と利子税

1. 通常の場合 延納できる期間は「5年以内」。延納税額にかかる利子税率は年6%。

2. 相続などでもらった財産のうち不動産や立木、一定の同族会社の株式等の価額が半分以
 上ある場合

・不動産等の価額に相当する部分の税額は延納期間を「15年以内」。利子税率は年3.6%。

・不動産等の以外の部分の税額は延納期間を「10年以内」。利子税率は5.4%。 3. 相続などでもらった財産の価額のうち不動産や立木、一定の同族会社の株式等の価額 が3/4以上ある場合は、不動産等の価額に相当する部分の税額は、延納期間を「20年以内」。利子税率は2と同じ。

  利子税の特例
 
利子税の特例

  平成12年1月1日以後の期間に対応する相続税の延納利子税の割合は、各分納期間の開始の日の属する月の2月前の月の末日の商業手形の基準割引率(以後「公定歩合」といいます。)に年4%を加算した割合(以後「延納特例基準割合」といいます。)が年7.3%に満たない場合には、その分納期間においては、その利子税の割合に、その延納特例基準割合が年7.3%の割合の占める割合を乗じて計算した割合となります。
延納特例割合
(0.1%未満の端数は切捨て)


 この改正は、平成12年1月1日以後の期間に対応する利子税等について適用されます。
不動産等の割合 延納の対象となる税額 延納期間
(以内)
利子税
年率[%]
(a)75%以上  不動産などに対応する税額 20年 2%
(b)50%以上  不動産などに対応する税額 15年 2%
 その他の部分に対応する税額    10年 3%
(c)50%未満  不動産などに対応する税額 5年 1.6〜2.6%
 その他の部分に対応する税額 5年 3.3%


  延納の期間と利子税
 
延納の期間と利子税

 
公定歩合を年0.1%で計算するとおおむね以下の税率となります。


  不動産等とは
 
不動産等とは

1. 不動産および不動産の上に存する権利
2. 立木
3. 事業用の減価償却資産
4. 特定の同族会社の株式又は出資

  延納の場合の年割額

延納の場合の年割額
 
 相続税を延納する場合、1年間の年割額は、延納税額を延納年数で割った金額となります。計算の結果、1,000円未満の端数が出た場合は、その端数金額は初年度の納付金額に加えます。


  延納する場合の計算例

延納する場合の計算例
 
不動産の価格が75%以上ある相続人が、その円納税額3,000万円を20年の延納で収める場合
  本税+利子税
最初の納付額 本税150万円+108万円(3,000万円×3.6%)
258万円
2回目の納付額 本税150万円+102万6,000円(2,850万円×3.6%)
252万6,000円
3回目の納付額 本税150万円+97万2,000円(2,700万円×3.6%)
247万2,000円
  〜途中省略〜
15回目の納付額 本税150万円+32万4,000円(900万円×3.6%)
182万4,000円
16回目の納付額 本税150万円+27万円(750万円×3.6%)
177万円
  〜途中省略〜
19回目の納付額 本税150万円+10万8,000円(300万円×3.6%)
160万8,000円
20回目の納付額 本税150万円+5万4,000円(150万円×3.6%)
155万4,000円


  延滞税

延滞税

・相続における延納の期間は最大20年。20年の延納期間を過ぎると、相続税の未納金が延滞税の対象となります。延滞税の利率は、最近の5年間は「年8.7〜8.9%」で推移しています。ちなみに、25年前の平成1年〜平成25年12月31日までの間は、原則「年14.6%」という驚愕の高利率でした。