遺言書検認の申立て            



  遺言書検認の申立て

家庭裁判所による検認

・相続開始後、遺言書を発見したり、遺言書を保管している人はすぐに
「家庭裁判所の検認」を受けなければなりません。 そして、この検認を受けないと「遺言の執行」ができない。

・検認は、
「どこに保管されていたか?」「誰が見つけたか?」「どのようなもので書かれたか?」「封筒に入っていたか?」などについて裁判所が確認するものである。

・検認手続きをしないと、自筆証書遺言を使って銀行預金を下ろしたり、登記の名義を変更したりすることができない。

検認に必要な書類

・遺言をした人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に行き、備え付けの
「遺言書検認申立書」に必要事項を記載し、下記の必要書類を添付して検認の申し立てをします。


○申立人の戸籍謄本  

○遺言者の除籍
(戸籍)謄本,改製原戸籍謄本(出生から死亡までのすべての戸籍謄本等),住民票の除票  

○相続人全員の戸籍謄本  

○受遺者の戸籍謄本  

○遺言書の写し
(遺言書が開封されている場合)



  遺言書検認の意義

遺言書検認の意義

・検認は、遺言が遺言者の意思によって作成したものかどうかを確かめ、利害関係人にその内容を知らせ、
「遺言書の偽造や変造を防止する」ために必要とされています。

・内容が妥当であるかどうかを判断するものではありません。
「検認手続までには1ヶ月くらい」かかります。

・遺言書に封印してあれば、勝手に開封してはならず、必ず
「家庭裁判所で相続人等の立会いのもとに開封」しなくてはなりません。  

・検認を受けずに封印された遺言書を開封してしまったり、検認手続きを経ることなく勝手に遺言を執行してしまったりした場合、遺言が無効になるわけで はないですが、5万円以下の過料に処せられます。


・ただ、無効にはならないといっても、それらの行為はトラブルの元となりますので 過料というだけの問題で済まなくなる恐れもあります。

・遺言書を発見した相続人が自分が有利になるように偽造したり、故意に遺言書を隠したりすると相続人としての地位を失うことになります。
(相続欠格)



  公正証書による遺言

公正証書による遺言

・公正証書遺言の場合は、検認の必要はありません。 すぐに、遺産の相続手続きを開始することができます。 公正証書遺言の正本または謄本を相続人が持っていない場合は公証役場に
「謄本の交付請求」を行います。

公証人の出張制度

・自筆証書遺言保管制度の利用に当たっては、本人が法務局まで赴く必要がある。そのため、体の自由が利かず法務局まで赴くことしかできない場合や手書きすることが難しい場合は利用することができない。

・その点、公正証書遺言であれば、公証人に病院や施設まで出張してもらい、遺言の内容を公証人に書いてもらうこともできる。