・遺贈には、「特定遺贈」と「包括遺贈」とがあり、受遺者を特定受遺者と包括受遺者に区分している。 ・相続税法では、包括受遺者を相続人に含めて取り扱っており、「相続人が不存在の場合」でも、包括受遺者がいれば、「相続人と同様」に取り扱われる。 ・相続人に対する遺贈は「特別受益」になります。 |
1.特定遺贈とは |
特定物の遺贈 | ・特定の不動産や動産を遺贈 |
不特定物の遺贈 | ・種類と数量のみ指定する種類物の遺贈と金銭の遺贈 |
特定物の選択的遺贈 | ・200坪の土地のうち150坪を遺贈するようなケ−ス |
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・遺贈に伴う手続き及び目的物の引渡しなどを実行すべき義務を負う者を「遺贈義務者」といいます。遺贈義務者となるのは「相続人(法定相続人)」です。 ・遺贈の対象に不動産が含まれているときの「遺贈による登記」は、登記権利者である受遺者と登記義務者である相続人全員との共同申請により行われます。 |
・「特定遺贈」については、受遺者は「遺贈を放棄することができる。」そして、遺贈の放棄があった場合には、「未分割財産」となるため遺産分割の対象財産となり、受遺者も参加して分割協議することになる。 ・「受遺者」は、遺贈を放棄しても、相続を放棄したことにはならないので、「相続人として遺産分割協議に参加」できる。 ・一度適正に行われた「特定遺贈の承認、又は放棄の意思表示」は、これを撤回することはできない。しかし、「詐欺」、「脅迫」、「能力制限」に基づいてなされたものは取消可能である。
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2.包括遺贈とは |
単独包括遺贈 | ・「遺産の全部を愛人に」というような、遺産の全部を1人に遺贈する方法 |
割合的包括遺贈 | ・「遺産の3分の1を愛人に」という、遺産の全部または一部を一定の割合で遺贈する方法 |
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・包括遺贈とは、「相続人以外への遺贈」であり、包括受遺者は、相続人と同等の権利義務を有しているため(民法990条)、「遺産分割協議に参加」でき、所得税法でも、包括受遺者を相続人に含めて扱っている。(所得税法2条2項) ・「愛人」等も遺産分割協議に参加することなるため、混乱が予想される。
・債務についての取り扱いも、「特定遺贈」とは異なり、受遺者は、「債務について」も指示された割合だけ負担する義務がある。
・「包括遺贈を放棄する場合」は、相続人と同じく、自分に遺贈があることを知ったときから「3カ月以内に、家庭裁判所」に「放棄の申述」をしなければならず、この手続きをしないと承認したものとみなされる。 ・つまり、「相続財産の3分の1を遺贈する」ような遺言書があった場合には、負債も遺贈により取得することとなるので、それを避けるためには、「3カ月以内に、家庭裁判所」に放棄の申述をしなければならず、この手続きをしないと承認したものとみなされる。 |
・遺言において「○×の土地は長男に相続させる。しかし、私が死んだときに、「長男がすでに死亡していた時」は、長男の息子の△に相続させる。」という書き方、 ・又は「○×の土地は長男に相続させる。しかし、「長男が当該遺贈を放棄したとき」には、当該土地は、長女に相続させる。」という書き方、
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